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 先月4月4日に悪天のため撤退した鳥海山を、今日は鳥海ブルールラインから新山を目指すことに。前日に福島を発ち大平・吹浦口から600mほど先の駐車地点で車中泊して朝6時から登り始めることにした。ブルーラインはまだ夜間通行止めでゲートが開くのは8時なので、カメペースでは何かトラブルがあるとゲートが閉まる17時まで戻れない可能性もあるからだ。

<期日>2022年5月10日(火)
<山名> 鳥海山
<メンバー> L和○、都○
<コースタイム>
鳥海ブルーライン・駐車地点(5:56)→御浜神社(8:27,8:43)→七五三掛(9:56,10:52)→千蛇谷(11:12,11:20)→大物忌神社(12:54)→新山(13:09,13:33)→大物忌神社(13:37)→千蛇谷・トラバース地点(13:48,13:58)→七五三掛上部の尾根(14:16)→御浜神社(15:14)→鳥海ブルーライン・駐車地点(15:43)

 朝食をすませて6時には出発。吹浦口の夏道沿いはその年によっては雪が途切れることがあり、鉾立寄りにある今回の駐車地点の方が雪が残っていることが多い。朝早いこともあって気温はマイナス、バーンは硬くシールが利いてくれない。持ってきたスキーアイゼンを付ける。スキーを背負って登る人もいて皆さん苦労しているようだ。順調に登り先行者を追い抜いたまでは良かったが、緩斜面になるとカメペースの私たちは若い人たちにあっさりと抜かれてしまう。

駐車地点から登り始める
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気温はマイナス、バーンは硬くスキーアイゼンを付ける
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ようやく日が差し始まった
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振り返ると日本海
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御浜神社を目指す。右の稜線は笙ヶ岳
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御浜神社の鳥居
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稲倉岳と、それに続く蟻ノ戸渡
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扇子森の奥には新山
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八丁坂を歩いて七五三掛へ
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七五三掛のトラバースルートは風が強くバーンがまだ緩まない
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上部の外輪から千蛇谷へ下降する分岐点
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 途中から大平・吹浦口からの赤布の標識が連打されていた。愛宕坂を登ると御浜神社はすぐである。ここまでは何とか予定通り登ってきたが、次に扇子森をトラバースして出来れば千蛇谷へ下ってみたかったがルートは見るからに急斜面で雪面もまだ緩まない。私たちはビビってあっさりと諦め七五三掛へと向かうことにした。八丁坂を登り七五三掛まで来ると風向きも悪いのだろうが七五三掛のトラバースルートは風の通り道になってスキーを背負って歩ける状態では無い。そのうえバーンは硬くピッケルも刺さらない。先行者も諦めて戻ると言う。
 どうしたものかと思案したが、鉾立から登っている先行パーティが何処かのルートを使って千蛇谷に下りてるはずなので、七五三掛の雪が緩むまでの間に調査のため歩き回ることにした。七五三掛上部の外輪から下降しながら千蛇谷に下るルートを確認すると、途中にトラバースのトレースを発見。しかし尾根からの下降点が見つけられずに七五三掛に戻ることになった。
 ようやく雪も何とか緩み始め、風も弱くなってきたのでアイゼンを付けて七五三掛から千蛇谷へとトラバースする。すでに予定時間をオーバーしている。果たして山頂まで行けるかどうか心細くなってきた。

ようやく千蛇谷に降り立つ
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大物忌神社
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新山へ向けて最後の登り
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新山の山頂部
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新山のピークに到着
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 千蛇谷を登って行くと先行パーティが滑り降りてきた。もう山頂に行ってきたのだ。若い人たちはやっぱり早い。私たちはへばり気味で途中で昼食休憩を挟んで大物忌神社までは1時間30分ほどかかった。ここまで来れば山頂までは15分ほど。何とか山頂へタッチしたいところだ。新山には13時09分に到着。時間も競っているので写真を撮ってすぐに下山を開始することにした。

山頂部から滑降を開始する
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雪はまずまずだが、すでに体力が限界
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御浜神社を過ぎると後は滑るだけである
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日本海を眼下に一気に高度を下げる
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最後のバーンを滑って駐車箇所へ戻る
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 下り始めるとスキーは早い。千蛇谷を滑り目的のトラバース地点まで下がると先行者がトラバース箇所のベンチで休んでいるのが見えた。帰りは雪が緩んできたこともあってアイゼンを付けずにトラバースし、はしごを登って尾根に出て雪の消えた尾根を下った。雪が出たところでスキーを履いて七五三掛へ。今日、七五三掛をトラバースしたのは私たちだけのようだ。慣れている人たちは雪の状態によって千蛇谷へのルートを使い分けているようだ。
 扇子森は登り返しを嫌ってやや登り加減にトラバースしたが、シールを付け直しても登り返した方が時間的には早いような感じだ。御浜神社からは緩やかな下りになるが、へばり気味なので無理をしないでゆっくりと滑ることにした。駐車箇所には何とか16時前に到着。余裕を持って計画したつもりだったが七五三掛のトラバースの件もあり予定より45分ほど超過。行動時間は休憩も含めて9時間45分、前回の同コースの記録を確認したら7時間30分なので大幅超過である。情けないことだが何とか山頂に辿り着けただけ良しとしよう。

<GPSトラック>
鳥海山
往路=赤 復路=青