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<期日> 2023年5月10日(水)~11日(木) 天候 快晴 
<山名> 北アルプス・白馬岳
<メンバー> 和○(単独)
<コースタイム>
5月10日
猿倉荘・猿倉登山口(5:59)→白馬尻(7:12,7:21)→避難小屋(11:22,11:56)→白馬山荘(13:22)
5月11日
白馬山荘(6:42)→白馬岳(7:02,7:05)→白馬山荘(7:18,7:47)→避難小屋(8:09,8:53)→白馬尻(9:23,9:33)→猿倉登山口(10:31)   

 一度は滑ってみたいと思っていた白馬大雪渓だが機会も無く年齢だけが過ぎてしまった。いつまた登れるか分からないので好天を狙って訪れてみた。白馬岳までの標高差は1,610m、今の時期に必要な山装備と、もしもの時のためのストーマ装具交換に必要な用具、ドレンバッグなど必要な装備を含めるとザックはゆうに10キロを超えた。果たして小屋までたどり着けるものやら。

猿倉登山口の一般車用駐車場に車を置いて歩き出す
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猿倉荘から登山道に入る
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一旦作業用林道に出て程なく白馬鑓温泉への道を分ける
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 朝食をすませスキーをザックにくくりつけて歩き出す。登山口となる猿倉荘にはトイレがあり登山届もここで提出する。標識に導かれて夏道に入る。すぐに工事用道路に出て林道歩きになる。左に白馬鑓温泉方面の登山道を分ける。長走沢の雪渓を越え、歩き始めて1時間ほどで登山道に変わる。この辺からようやく雪の上を歩くようになった。以前、金山沢を降りてきたときには工事用道路は雪がしっかり残っていて駐車場まで滑ることが出来たのだから、ここ数年、いかに雪か少ないかがわかる。

 おいあげ沢には橋が架けられていた
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スキー歩行に切り替えて登り始める
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体力のある若い人たちが羨ましい
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雪渓は雨溝と小石がミックスして状態はあまり良くない
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避難小屋を少し越えたところで大休止
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 おいあげ沢まで来ると雪融けが進み沢が顔を出していた。2日前の情報では通れないとのことだったが橋が架けられていて問題無く通過。よけいなアルバイトをしないで済んだ。白馬尻小屋の手前で雪渓が繋がったのでスキー歩行に切り替える。
 雪渓は雨溝と小石がミックスして状態はあまり良くない。徐々に勾配を増してくる。気温が上がっているので雪は緩み始め、最後までシール登高できたものの、殆どの人がシートラでアイゼン登高している。若い人たちは体力もありアッという間に抜かれてしまう。焦らないでのんびり行こう。
 避難小屋までの急登ではトレーニング不足もあり足が痙ってしまった、滑落すれば下まで落とされそうなので休み休み登る。避難小屋(2,450m)あたりまで来て幾分傾斜も緩くなった。杓子岳の絶壁「天狗菱」を見ながらゆっくりと昼食休憩をとった。白馬山荘までは標高差残り430m、何とか小屋まで辿りつけそうだ。

頂上小屋
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振り返ると杓子岳、鑓ヶ岳が目の前に見える
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今日の目的地である白馬山荘はもう少しだ
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何とか白馬山荘に到着
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夕ご飯はハンバーグカレーだった
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 スピードが上がらない。頭が痛くなってきたので軽い高山病のようだ。上部の雪渓も結構な急斜面だ。頂上宿舎のところで少しだけ雪が切れたが、その後は白馬山荘まで雪は繋がっていた。13時22分、白馬山荘に到着。要した時間は休憩も含めて7時間23分、標準タイムは6時間なので1時間以上多くかかったことになる。本当にカメである。小屋まで来れただけ良しとしよう。山頂を往復する時間はあったが気力が失せて山頂は明日登ることにした。夕方からガスが出てきて杓子岳が見えなくなった。

翌朝、スキーを小屋に置いてもらい白馬岳を往復する 
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今日も良く晴れて杓子岳、鑓ヶ岳が良く見える
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白馬山荘の奥に尖って見えるのは槍ヶ岳だ
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山頂標識
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大天井岳、前穂高岳、奥穂高岳、槍ヶ岳と峰を連ねる
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雪倉岳、朝日岳方面、朝日岳の滑りは未だやり残したままだ
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 朝食は6時、身支度をして山頂を往復する。今日も快晴だが気温は低く、風が強い。インナージャケットの上にジャケットを着込み、フードで風を避け手袋も冬用のものに取り替え登り始める。白馬岳山頂には7時02分到着、360度の大パノラマである。小屋に戻ってシールを剥がしワックスを塗り、トイレを借りて下る準備をする。

避難小屋まで滑ったがバーンは硬く緊張する
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杓子岳の天狗菱を見ながら甲羅干し
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 8時近くなったので小屋を出る。ゆっくり出発したつもりだったが、バーンはまだ硬く滑っても楽しくはない。慎重に高度を下げる。何とか避難小屋まで下がったものの、ここから傾斜は更に増すので転べば下まで落とされそうだ。避難小屋のところで休んでいた若者から話しかけられた。バーンが硬いので滑るにどうだろうと聞かれた。どうも雪面を削る滑降の音が登攀を躊躇させてしまったようだ。これから気温は上がるだろうから戻るときには問題無く滑ることが出来るよと言うと安心して登り始めた。
 さて、どうしたものか。滑っても楽しくないので居直って雪が緩むのを待つことにした。小鳥のさえずりを聞きながら、岩の上に腰を掛けノンビリとした時間を過ごした。30分ほど待つと汚れた雪面が緩み始まった。滑降開始である。

登山者とすれ違うようになる
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 標高2,300mあたりから小石が出てくるようになる。石を避けながら斜面を選んで滑降を続ける。今年購入したばかりの板なので、できれば傷は付けたくない。1,850mまで高度を下げると雨溝も酷くなってきた。右岸側の比較的雨溝の少ない斜面をトラバースするように下り、白馬尻には9時23分に着いた。避難小屋から30分ほどの滑りだった。 

白馬尻でスキーを脱ぎ登山道を下る(おいあげ沢)
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作業用林道に出る
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長走沢出合
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長走沢上部は雪がしっかり残っている
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 今日の気温であれば白馬山荘を9時過ぎに出発すれば雪も緩み、もっと滑りが楽しめたかもしれない。白馬尻からスキーを背負い、おいあげ沢を渡り林道に入ると長走沢(ながしりさわ)と出合う。長走沢を見上げるとしっかりと雪が残っている。小屋に泊まるのであれば杓子沢を滑り、長走沢を滑るのが一般的だ。今回はスキーでの白馬岳往復が目的でもあり、1人なので無理をしなかった。バーンも硬くこれはこれで正解だったかもしれない。

林道の途中から振り返ってみた
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ニリンソウが咲いていた
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 林道を歩いていると前日登るときに一緒になった若者が追いついてきて声を掛けてくれた。スマホを落としたので今朝から探しに来たと言う。無事見つかったと喜んで話をしてくれた。

<GPSトラック> 往路=赤 復路=青  電子国土Web
白馬岳