搬出
 山ではいくら注意していても、いつ事故が起きるかわからない。今日は天気が崩れる予報。山には出かけないので、それではと急遽招集をして搬出訓練を行った。集まったのは全部で8名、後半は雨模様になったものの何とかズブ濡れにならずにすんだ。事故があれば緊急に招集して集まってくれるメンバーが後方支援も含めて救助の役割を担うことになる。常日頃から事故をシミュレーションし、持っている(準備できる)装備でどう搬出するのか考えておくことも大切だ。
 箕輪山東尾根下部で滑落しケガをして動けなくなったと想定し救助に向かった。負傷者の負担も考慮し、ヘリの要請が必要であればピックアップしてもらえる場所までの移動手段を選ぶが、今回はセルフレスキューが可能で仲間に救助依頼があったと想定した。救助依頼者から状況の報告を受け、持っていくものを準備した。必要なものはスレッドストレッチャー、30mロープ、保温用のシュラフ、加温用の使い捨てカイロ、紙オムツ。それに普段持ち歩いている個人装備の補助ロープ、スリング、カラビナである。
 ほとんどのメンバーがココヘリに加入しているが、単独で山に入る場合には当然必要な装備である。最新のココヘリ子機にはスイッチは無く常時発信するようになっているようだ。親機に子機のID番号を入力し捜索しながら現地へ向かった。スケッドストレッチャーは引くことが出来る状態にして引いて登った。重量は5キロほどなので、スキーを引いて登るのとあまり違いは無い。ココヘリで負傷者を捜し出したが、おかげで発見するロス時間は無い。
 梱包するが、過去の経験から保温、加温、失禁用の紙オムツは必需品である。スケッドストレッチャーは良く滑ってくれる。急斜面はスピードを抑えるために30mロープと持っていた細引き(7.5mmダイニーマロープ)で交互にビレーして下ろした。支点は立木があればそれを使い、無木立のバーンはピッケルを使ってスタンディングアックスビレイでコントロールした。ロープは長い方が楽だが持っている装備でやるしかない。しかし頭で考えているよりはスムーズだ。ルートの取り方にもよるが片斜面のトラバースをしなければ搬送者もトップの1名とビーレーする2名ですむ。どうしてもトラバースしなければならない時は負傷者に負担をかけないように谷側に搬送者が入って水平を保ちたい。牽引ロープは各自個人装備で持っている10m補助ロープを使いラビットノットで簡易ハーネスを作り、牽引ロープと兼用した。スキーで搬送するにも10m補助ロープで長さは十分だ。
 スキーでの搬送は時間の短縮は可能だが、搬送者は最低5名は必要になってくる。また安定した滑降技術も必要である。しかし深雪での搬送はスキーは必需であり、また訓練する機会をつくりたい。教えられるだけの訓練は必要ない。自分だったら何が出来るのか。どう行動すれば良いのか考えて知識と技術を吸収したいものである。

<緊急搬出訓練トラック>
箕輪山