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 久々に南相馬市にある国見山に出かけてみることにした。最後に高倉(たかのくら)ダムからのルートを登ったのは2003年だ。このエリアは、2011年に原発事故が起きて放射能汚染により一時立入が出来なくなり、さらに2019年に大雨に伴う高倉ダム緊急放流によって下流の高倉地区の住宅や橋が大きな被害を受けたこともあり足が遠のいていた。
 最近、少しずつではあるがこのコースを歩く人が出てくるようになった。さらに「新うつくしま百名山」でも紹介されたこともあり現況を見てみたいと思った。国見山に入るのは、2016年に放射線量調査のため立入が可能だった押釜登山口から登ったのと、2018年に調査のために立ち入って以来である。
 今回歩いてみて感じたことは、登りはじめの沢コースが2019年の大雨で多少荒れてしまっているものの特に歩くに支障があるわけではなく、整備されて長い年月が経って古くなったなという印象だ。登山口にある「関係者以外立入禁止」の表示は2018年の時は気づかなかった。これは遊歩道の除染・再整備が目的で立てられたようで、大雨の災害復旧優先のため整備は手つかずの状態で「立入禁止」の表示もそのまま残されたものと推察する。「新うつくしま百名山」に掲載されたこともあり、今でも立入が禁止されているのかどうか南相馬市に問い合わせてみるのも手だろう。

<山名> 国見山(くにみやま)563.1m三等三角点峰
<山行期間> 2021年5月20日 (木)
<コースタイム>
高倉ダム登山口(9:40)→管理歩道1号線→取水堰(9:54)→管理歩道4号線分岐(10:12)→地蔵平(10:50)→反射板跡(11:18)→国見山(11:23,11:46)→地蔵平(12:02)→押釜コース森林軌道跡→林道国見山線→眺めの丘・397m標高点(12:32,12:35)→管理歩道4号線→1号分岐(12:50)→高倉ダム(13:22)
<メンバー>
L和○、坂○、鈴○(よ)

高倉ダムから登り始める
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取水堰までは幅の広い道
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取水堰
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途中にある標識
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国見山の案内図
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以前に遊歩道整備した際に作られたパーゴラがある
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眺めの丘へ続く管理歩道4号線の分岐(歩いているのは管理歩道1号線)
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林道国見山線に出る
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沢コースを進む
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ヤマブキソウが花を付ける
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カキドウシ
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押釜コースと道を合わせる
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ギンリョウソウ
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押釜コースの標識
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地蔵平に着く
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地蔵平は管理歩道1号線と横川ダム、のんびりコース、直登コースの分岐にもなっている
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地蔵平のお地蔵さん
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のんびりコースを山ノ神まで進む
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裏手にある古~い仮設トイレ
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尾根伝いに緩やかに登って行くと反射板跡地に出る。(国土交通省国見反射板跡)
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尾根伝いに山頂を目指す
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国見山の三等三角点
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 高倉ダムの駐車場に車を止め階段を登って登山道に入る。細い踏跡もすぐに右側から取水堰の管理道が入り幅広くなる。取水堰を過ぎると沢に沿って登るようになるが、2019年の大雨のため所々道は寸断され荒れているが、登山道は最初から沢を右から左へ、左から右へ渡るように付いていたので特に気にすること無く登って行く。
 やがて眺めの丘へ続く管理歩道4号線を左に分ける。標識の上にヘルメットが載っている。調査の時のものだろうが、業務用のヘルメットを置き忘れたまましておくなんて会社の信用を無くしてしまうじゃないの。
 管理歩道1号線をそのまま進むと林道国見山線に出る。沢コースをそのまま進み登って行くとトウゲブキ(と思う)の群生地があった。やがて道は沢から離れて左へ進むようになる。真っ直ぐ進むはずの管理歩道1号線は踏跡が不明瞭でわからなかった。左へ登って行くと押釜コースに合わさる。ここから少し進むと森林軌道跡から離れて地蔵平を目指すようになる。地蔵平は管理歩道1号線と横川ダム、のんびりコース、直登コースの分岐にもなっている。左ののんびりコース(管理歩道1号線)を歩いて山ノ神に向かう。ここで横川ダムからの作業林道と合わさり、登山道は山ノ神の後を通り反射板跡のピークへと向かう。山頂は反射板跡より更に100mほど進んだ次のピークである。登り始めて1時間45分ほどで国見山の山頂に到着した。東側が開けていて太平洋が見渡せ、東北電力原町火力発電所も見えた。

近道、直登コースを下り地蔵平から押釜コース(森林軌道跡)を下る
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堀切された森林軌道跡
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シロヤシオツツジがまだ花を付けていた
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林道国見山線に出る
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舗装された林道を歩いてトイレのある駐車場へ(鍵はかかっていないが水は出ない)
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眺めの丘の展望台
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南相馬市が一望できる
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左端に鹿狼山も見える
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管理歩道5号線を下り、林道を横切って4号線へ入る
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先ほどのヘルメットのある管理歩道1号線と4号線の分岐に戻る
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取水堰まで来ると歩きやすい道になる
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 帰りは山頂から地蔵平へ直接下る。押釜コースに入り左に登ってきた沢コースを分け、しばらく行くと407m標高点を越えて林道国見山線に出る管理歩道3号線を左に分ける。森林軌道跡は平坦に感じるぐらい緩やかに下って行く。途中でシロヤシオツヅジ(ゴヨウツツジ)が咲いていた。森林軌道の線路があったころから登っている坂○さんが言うには国見山では始めて見たと言う。出会えるタイミングだろうが珍しい。
 林道国見山線まで下ったら左に折れて眺めの丘へと向かう。駐車場には休憩所付きのトイレもあり水は出ないが鍵もかかっていなかった。階段を登って眺めの丘まで上がると太平洋側が一望できる。管理歩道5号線を下り林道を横切って4号線を下ると登ってきた1号線との分岐に出る。沢を下れば取水堰に出て高倉ダムへと戻る。
 今回は放射線量が気になったのでPA-1100(堀場製作所)を持って歩いた。10秒おきにBluetoothでスマホに転送してくれるので放射線量の高いところがわかる。どうしても第1原発に近い横川ダムに面した斜面が高い。それでも5年前の2016年の調査時と比較すると60%程度に減衰している。隣の五台山と比較すると数値は極端に少ない。

高倉ダム登山口       0.356μSv/h
(高倉ダムの駐車場は、0.617μSv/h、設置されているモニタリングポストも同様の数値)
管理歩道1・4号線分岐 0.866μSv/h
地蔵平         1.291μSv/h
国見山山頂         0.946μSv/h
※1.5μSv/h以上を表示したのは南に面した横川ダム側(事故を起こした第1原発側)

<概念図>
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<GPSトラック>  往路=赤 復路=青(緑点線は押釜コース)